カトリックさいたま教区/CATHOLIC SAITAMA DIOCESE

司教メッセージMESSAGES

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待降節第4主日 ルカ 1・39-45

2021.12.19 (日)
兄弟姉妹のみなさん、
 今日は待降節第4の日曜日、主の降誕がもう私たちの目の前にあります。典礼は、ミカ預言者の言葉をもって、ユダの小さな町ベツレヘムを見るよう招いています。大きな出来事の目撃者です。
「エフラタのベツレヘムよ お前はユダの氏族の中でいと小さき者。お前の中から、わたしの
ために イスラエルを治める者が出る。彼の出生は古く、永遠の昔にさかのぼる。」
(ミカ5:1)
紀元前1000年、ベツレヘムで偉大な王であるダビデが生まれていました。聖書は彼をメシアの祖先として示しています。

 ルカは、イエスがベツレヘムで生まれたと書いています。なぜなら、マリアの夫であるヨセフはダビデの家に属していながら、住民登録のためにベツレヘムに行かなければなりませんでしたから。マリアはその地でイエスを産みました(ルカ2:1−7)

第一朗読:ミカ預言のミッションと宣言(ミカ5:1−4a)
 今日の第一朗読はミカから取られています。エゼキアが王であった29年間、その時にミカが存在したのです(紀元前715−687)。目立たないこの預言者が宮廷に来た時、預言者イザヤと出会い、その影響を受けたそうですが、その後も自分のスタイルを保ち続けました。
 
 ミカは、貧しい人を虐待する権力者を打ちのめしました。特に、貧しい人や農民たちのものを奪い取っていた有力者たちを攻撃し、堕落し、汚職に走った不正な裁判官を強く非難しました。しかし、もう一方で、救いをもたらす素晴らしい歌を作りました。その中でも、ベツレヘムについての預言
 人々が待ち望んでいるメシアは、ユダの小さな村、ベツレヘムで生まれるであろう、ユダの氏族が世界に平和をもたらすだろう、人々がもっと助け合いと正義に生きるようにと彼は宣言します。
 この宣言を理想として、人類がみんなの努力で達成しなければならないことを私たちは知っています。宗教的、政治的リーダーも、一緒になってそれを探し求め、聖書に書かれている模範と教えに従いながら、その道を歩まなければなりません。

福音(ルカ1:39−45):エンカレムでのマリアとエリザベトの出会い
 イエス誕生のお祝いが近付くにつれ、出産を控えた女性としてのマリアと、その信仰を思い起こすことが必要です。ルカ福音書には、母である二人の女性の出会いについて書かれています。
 マリアは、メシアの母になるとの神の呼びかけを受けたのち、一人で旅に出かけます。彼女にとって新しい生活、子であるイエスに仕える生活の始まりです。マリアはいとこのエリザベトと喜びを分かち合わなければと急いで出向いて行きます。そして、エリザベトの妊娠の最後の月日に、なるべく早く奉仕するために出かけました。
 このようにガリラヤ人であるマリアは、ナザレからユダへ行きます。エルサレムから3キロ離れた山岳地域であるエンカレムのエリザベトの家に行きます。マリアがナザレからいとこのエリザベトの家まで歩いた距離は約150キロでした。そこにたどり着くまでに5日を要したかもしれません。
 巡礼者として、その場所を訪れることがある方々もいらっしゃるでしょう。マリアがエリザベトに出会った時にマリアが歌った讃歌(マニフィカ)は、日本語を含めて、たくさんの言語で親しまれています。
 若いマリアの挨拶をうけた時、生まれようとしている胎内の子、後の洗礼者ヨハネが「喜びおどった」とエリザベトが語ったと記されています(41と44節)。ヨハネはイエスにゆずります。自分の母親の胎内の喜びは、メシアの訪れへの最初の返事でした。

神と神の全ての創造の業を、そして、その被造物を、祝福しながら、この降誕祭をお祝いできるよう準備しましょう
 神から愛されている喜びを感じるのは、クリスマスを準備することを通して、「祝福する」とは、良いことを待ち望むことです。ちょうど、イエス誕生の前に、ザカリア、エリザベトとマリアがそうだったように。みんなが、神がなさることを祝福しています。
大人になったイエスは子どもたち、病人、弟子たち、御父を祝福します。

 祝福の祈りはまず神に対する感謝と賞賛のあらわれです。何よりまず、感謝。祝福は、他の被造物、無生物、枝、灰、そしてパンと葡萄酒、水などに対するものです。
聖霊はエリザベトが祝福できるよう助けます。
「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。」(ルカ1:42)
 その時から何万回も、私たちはキリスト者として「アヴェ・マリア」の中でこの言葉を唱えています。神を信じる人、言葉を実行する人、実を結ぶ人、イエスと一致する貧しい人たちは、祝福されたもの、幸いな者なのです。
 マリアは信じました。信仰が、マリアの偉大さと幸せの基です。その計画がどのように実現するかを説明できなくても、神から言われたことを受け入れながら、マリアは信仰の教師になったのです。マリアの生涯は信仰に基づいています。届けられた啓示の初めの時から、マリアはそれに「はい」と答えました。

 エリザベトのように、マリアの訪問を受け、イエスを私たちの家に運んでくださる喜びを新たにしましょう。今年も、人類が今日必要としている平和をもたらすインマヌエル、私たちと共にいる神を信じる人々に囲まれて、新たにイエスが誕生しますように。

 家族でクリスマスをお祝いしましょう。土曜日の25日、ある人たちにとっては仕事の日であるかもしれません。できる範囲で24日、25日、26日のミサに参加するようにしましょう。

 喜びに満ちたクリスマスでありますように。幼な子イエスがみなさんを祝福し、喜びと平和で満たしてくださいますように。みなさんを愛で結んでくださいますように。クリスマスのお祝いによって2022年の新しい年を受け入れる準備ができますように。