カトリックさいたま教区/CATHOLIC SAITAMA DIOCESE

司教メッセージMESSAGES

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主の降誕 ルカ 2・1-14

2021.12.24 (金)
「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。
この方こそ主メシアである。」

兄弟姉妹のみなさん、
主の御降誕おめでとうございます。

 降誕祭の典礼は言葉と祈りが豊かです。神の誕生の神秘は、人類が忘れてはならない出来事です。ですから、文化や宗教の違いを超えて、神がどのように人類の心の中に生まれたかを強調するこのお祝いを改めて生きるよう、教会は望んでいます。降誕祭をお祝いしながら、神が世界と人類の歴史の中、そして特に私たち一人一人の心の中に現存し、全ての人がそれを発見できますように。

降誕祭の典礼:夜半ミサ、早朝ミサと日中のミサ
 降誕祭には3つのミサがあります。一つ目は24日の夜、それは「夜半のミサ」と呼ばれます、「雄鶏(おんどり)のミサ」とも呼ばれます。そして、25日の最初の時間のミサ、その後に日中のミサが献げられます。

福音(ルカ22:1−11):ダビデの町ベツレヘムでメシアが生まれた
 福音書の朗読で、あの聖なる夜に、天使が羊飼いたちに言ったことを聞きました。今、教会は宣言しています。「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」(ルカ2:11)

 羊飼いたちに与えられるしるしは、不思議なものでも特別なものでもありません。驚異的でなく、並外れている訳でも、壮観でもありません。彼らが見つけたのは、他の赤ちゃんと同じように、母親の助けを必要として、布にくるまっている幼な子でした。馬小屋で生まれて、ゆりかごではなく、飼い葉桶に寝かされていました。

神からのしるし:幼な子が私たちに与えられた(イザヤ9:5、ルカ2:12)
 神からのしるしは幼な子。助けを必要とする、貧しいもの。羊飼いたちの心は、その子が、イザヤ預言者が約束した幼な子であると識別することができます。この言葉を、私たちは第一朗読で聞きました。
「一人のみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。」(イザヤ9:5)

 私たちにも、他のしるしは与えられていません。飼い葉桶に寝かせてある幼な子を見るために、心の動きに従うよう、福音のメッセージを通して神の使いが招いています。

 神のしるしは素朴です。神のしるしは幼な子です。神のしるしは、私たちのために小さきものになります。これは私たちを一つにする方法です。彼は、力と外的な偉大さをもって来ない。無力な幼な子として、私たちの助けを必要とするものとして来ます。私たちに怖れを抱かせるような力で圧倒することを望まず、その偉大さが、私たちの愛を求めます。そのために幼な子になったのです。私たちが求められているのは、愛です。愛によって私たちは、この幼な子の気持ちに共感することができ、共に生きることを学びます。そして、自分を後回しにする謙遜な心こそが愛の根本です。神が小さきものになったのは、私たちが理解し、受け入れ、愛することができるようにするためです。

ベツレヘムでお生まれになった幼な子イエスに出会うため、
羊飼いたちの素朴な信仰に倣えるよう願いましょう
 羊飼いたちが家に戻った時に喜びに満たされたように、私たちも彼らの素朴な心で、今夜、馬小屋を見て、恵みをいただけるよう主に願いましょう。マリアは聖霊によって子を宿しました。その幼な子を見た、聖ヨセフの謙遜と信仰を願いましょう、

 マリアの愛情に意満ちた眼差しを、私たちも願いましょう。羊飼いたちが見た光が私たちを照らし、そして天使たちがあの夜、歌った歌が世界中で実現しますように。
「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」(ルカ2:14) アーメン。

アルゼンチンのクリスマスキャロルで終わりましょう
 私にとって第二の故郷であるアルゼンチンで、簡単に覚えられる、たくさんのクリスマスキャロルが歌われています。ですから、それらは「ポピュラー」と呼ばれています。プロの歌手や一般の人にも歌われています。ギターやボンゴ(打楽器)に合わせて。ここで、昨年の説教の中で分かち合ったのとは違う、もう一つのことを分かち合いましょう。You Tube(ユーチューブ)で聞くことが出来ます。

神の幼な子にミルクを運ぶ牛の姿がなんと美しい。そして、雄牛の姿も。みなさんも母国のクリスマスキャロルを歌ってください。

El Huachitorito((牡牛のウワチ):Fronterizos(フロンテリソス)のアレンジによる

小さな男の子に何をあげましょう
毒にならないものをあげましょう
このカゴのサクランボをあげましょう
食べて、遊べるように

おお、ウワチ、ウワチ、小さな小屋の雄牛のウワチ

木から枝が生まれた
枝から花が生まれた

花からマリアが生まれた
マリアから救い主が生まれた

路地から牛が向かってくる
神の幼な子のために、ミルクを持って来ている

おお、ウワチ、ウワチ、小さな小屋の雄牛のウワチ

聖ヨセフとマリア、聖エリザベト、エルサレムの町をうろうろ
幼な子イエスのことを、どの人にも尋ねながら
みんなが答える
十字架で亡くなった

おお、ウワチ、ウワチ、小さな小屋の雄牛のウワチ