カトリックさいたま教区
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2015年4月オープンハウス全体会   R.K.  2015/4/17(金)
今月のオープンハウス全体会は、大正大学で講師を勤めておられる住職、星野壮先生による研修。テーマは「日本人と宗教」。日本人の宗教観について、宗教社会学者という立場からのお話を伺った。

一般的に、日本人は無宗教が多いと言われている。それにもかかわらず、全国で宗教法人として登録されている団体数は全国のコンビニの数の4倍弱ほど。国内の全宗教の信徒数は総人口を上回る。この謎の背景には、宗教団体によって登録の仕方が違うことや同一人物が氏子や檀徒として重複して数えられている実態があることを先生は説明された。

「私は無宗教」といいながら、初詣をしたり、クリスマスを祝ったり、法事や墓参りなどの宗教的行事を行う日本人。海外で、自分は無宗教と名乗ることは自らの意思を伴う個人的な選択であるのに対し、日本の無宗教は様子が少し違う。これには、「宗教」を定義する難しさも関係しているそうだ。

また、日本でよく耳にする「うちは〇〇だから」という言葉にもあらわれているように、日本人は自分が属するイエの宗教を敬い、代々に伝えていく。この独特な宗教観には様々な歴史的背景が色濃く反映されているが、近年、核家族が増加する中、この「イエの宗教」という感覚も崩れつつある―。

お話を伺って、あらためて日本人の宗教性について考えさせられた。宗教団体によるテロ事件以来、「宗教」という言葉にさえ怯えるようになった日本人。それでも、日本人が宗教的行事や崇高なるものへの表敬を大事にし続けてきたのは、魂の奥底に「宗教心」があるからだろう。カトリック教会はこれを、創造主である神が人間の魂に刻んだ“神へのあこがれ”と捉える。(カトリック教会のカテキズム27)イエの宗教が行き詰ってきている現代社会の中、日本人の魂にひそむあこがれは、どこに向かい、真に満たされるのだろうか?

星野先生は、現在「カトリック教会による外国人支援」の研究を行っておられ、スタッフへのインタビューのためにオープンハウスにもこれまで幾度か訪問された。この縁を神に感謝し、研究のための声援と祈りを送りたい。