信仰講座 ARCHBISHOP COUSE
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■ 第39回「父と子と聖霊」 2018. 5.27説教
三位一体の主日 カトリック高崎教会 第二朗読:ローマ8.14-17 福音朗読:マタイ28.16-20 福音 さて、十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った。 そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。 イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。 だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、 あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」 説教 皆さん、今日は三位一体の祭日であります。ご承知のように、先週の日曜日は聖霊降臨の日でありました。聖霊降臨は50日祭と呼ばれ、復活祭から50日目の出来事を記念しております。そして、聖霊降臨の前に、主の昇天という祭日がありました。主の昇天というのは、主イエスが弟子たちの見ている前で天に挙げられたという出来事を指しています。 今読まれましたマタイによる福音はまさに主の昇天の時の様子をわたしたちに告げ知らせています。その時、イエスが言われた言葉は、わたしたち教会の使命をはっきりと知らせてくれています。 「あなたがたは行ってすべての民を弟子にしなさい。」 世界中の人々をイエス・キリストの弟子にすることがわたしたちの使命であります。そのために洗礼を授けなさい、そして、イエスの命じたことを良く理解させ、そして守るようにしなさい、と。 イエスが命じられたことは一つのことにまとめられますね。 「わたしがあなたがたを愛したようにあなたがたも互いに愛し合いなさい」 というご命令であります。そして、その後言われた。 「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」 この言葉を今日は深く味わうようにしたいと思います。人間であるイエス、ナザレのイエスは弟子たちから離れて天に昇られ、もはや弟子たちと一緒にはいないようになる、一緒にはいないようになる時に、 「わたしは世の終わりまで、いつもあなたと共にいる」 とおっしゃった。これはどういうことでしょうか。 わたしたちも人間として、この地上においては、親しい人、愛する人と別れなければならないという辛い、悲しい体験をいたします。身体を持った人間は、いつかは地上の生涯を終えなければならない。イエスも人間である限り、地上の生涯は限られた時間、限られた場所で行われた生涯であります。しかし、 「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」 とおっしゃった。その言葉がどのように実行されてきたのでしょうか。その秘密は聖霊という三位一体の神様の中に、聖霊の派遣という神秘の内に存在しているのであります。 第二朗読で言われておりますが、神の霊、それはイエス・キリストの霊です。神の霊を受けた者は、皆、神の子であります。そして、神の子は神の相続人、神の命を受ける神様の相続人とされました。わたしたちは皆、神の霊を受け、神の相続人となっています。この信仰をわたしたちは二千年の間、しっかりと守り、そして伝えてきました。 ミサの時に信仰宣言、信条を唱えます。今日、二つの信条の中のどちらかを使います。 今日はニケア・コンスタンチノープル信条をもう一度思いおこしてください。この信条はどちらかというと主イエス・キリストへの信仰に焦点を当てている。 「イエス・キリストは神からの神、光からの光、まことの神からのまことの神である。」と力強く宣言していますが、そのあとで聖霊に対する信仰を告白しています。 「わたしは信じます。主であり、いのちの与え主である聖霊を。聖霊は父と子から出て、父と子とともに礼拝され、栄光を受け、また預言者をとおして語られました。」 聖霊への信仰はこの言葉によって、要約され、まとめられています。聖霊は父と子と同じように神であり、父と子と同様に礼拝され、そして栄光を受けています。そして、聖霊によって、わたしたちは神の命を受け取ることができましたし、受けることができます。 ただし、わたしたちは、地上にある限り、いつも誘惑と試練の中に置かれている。人間は地上にある限り、罪深い者であり、また弱い者であります。聖霊の導きに忠実である度合いに応じて、わたしたちは聖霊の実りをもたらすことができます。愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制などなど、人間が与えられている素晴らしい恵みは聖霊の働きによるのでありますが、人が聖霊の働きを信じないと、あるいはよく応えないと、多くの人にとって躓きとなる悪い結果をもたらしてしまうことになります。自分勝手な生き方、自分の欲望を良く制御しない、コントロールできない生き方、性の欲望などがきちんとコントロールできない状態になってしまいます。ですから、今日は特に、聖霊の助け、聖霊の恵みを切に祈り求めましょう。もう一度、ニケアコ・ンスタンチノープル信条をよく見てください。 「私は信じます。主であり、いのちの与え主である聖霊を。聖霊は父と子から出て、父と子とともに礼拝され、栄光を受け、また預言者をとおして語られました。」 聖霊の恵みが豊かに与えられますように。 |
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