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使徒座定期訪問・聖ペトロ墓前ミサ



2015年3月22日、四旬節第5主日


使徒座定期訪問・聖ペトロ墓前ミサ説教
聖ペトロ大聖堂地下聖堂ペトロ墓前にて

第一朗読 エレミヤ31・31-34
第二朗読 ヘブライ5・7-9
福音朗読 ヨハネ12・20-33

今朝は、アド・リミナのためローマに集まった日本の司教たちが使徒ペトロのお墓参りをし、一緒にミサをおささげしております。日本の福音宣教のためにわたしたちがその務めをよく果たすことができるよう、聖ペトロのとりつぎによって祈りをささげましょう。
今日は四旬節第5主日、一週間後には聖週間が始まります。主の受難の主日に間に合うよう、わたしたちは帰国し、それぞれの教区で聖週間の務めを果たす予定です。主の過越の神秘、十字架の死と復活の神秘をより深く信じ、味わい、実行できますよう、祈りましょう。
 今日の福音は「一粒の麦」を主題とする福音です。「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。」(ヨハネ12・24)
 日本の教会は殉教者の教会です。このイエスのことば、一粒の麦の教えに倣い、多くの人が信仰を守って命をささげ、殉教者となりました。殉教者のなかから日本26聖人殉教者をはじめ、多くの福者が生まれています。前回のアド・リミナは2007年でしたが、2008年11月にはペトロ岐部と187殉教者が長崎で列福されました。また本年はユスト高山右近の殉教400年の年であり、早期の列福への期待が高まっています。高山右近の列福の認可を早期にしてくださるよう、このアド・リミナの機会に教皇様にお願いいたしました。
 また、先日の3月17日、わたしたち日本の司教は長崎に集まり、信徒発見150周年記念のミサと行事に参加しました。実に250年以上、キリスト教禁教のもとで、一人の司祭もいない中、キリシタン信徒は信仰を守り、信仰を次の世代に伝えたのでした。これは実に賞賛すべき奇跡的な事実です。昨年と今年、二回にわたって家庭を主題とするシノドスが開催されます。家庭が信仰を育て伝える最初の教会でなければなりません。しかし、世界中どこでも家庭がその役割を果たすことが難しくなっているのです。日本の家庭もその点は同じであると思います。現代の日本には、キリスト教禁教の時代と違って多くの司祭がおります。しかし、信仰を次の世代に伝えることが難しくなっている。かつて司祭なしに立派に信仰を伝えたという実績を持つ日本の教会なのです。この問題をわたしたちは真剣に見つめなければならないと思います。
 前回のアド・リミナから7年経過しました。この間に起った大きな出来事は東日本大震災です。津波によって多くの生命が失われ、多くの人が行方不明となり、また同時に福島で原子力発電所の事故が発生し、多くの人が放射能の被害者となり、故郷を退去して避難を余儀なくされています。日本のカトリック教会は全教会を挙げて支援体制を組み、また2011年には即時原発廃止を訴えるメッセージを発表しました。原発は人間が快適で便利な生活を求めるあまり、思い上がり、神の定めに反して、自然を支配しようとする暴挙にほかなりません。わたしたちは断固、即時廃止を求めています。
 ことし2015年は第二次世界大戦後70周年に当たります。わたしたち司教団は先日2月25日、武力によらない平和を訴えるメッセージを発表しました。
 集団的自衛権の行使を認める閣議決定など、日本国憲法9条の規定を事実上無効にする動きが強くなっています。またヘイト・スピーチなどに見られるように、排外的動きが目立ち、ナショナリズムの傾向が顕著になっています。沖縄では地元の住民の願いを踏みにじる動きが加速しています。このような状況でわたしたちは平和が脅かされているという恐れを感じています。平和は武力行使によっては達成できません。昨日も教皇庁・国務省でこのわたしたちの願いを国務長官パロリン枢機卿と分かち合いました。
 なお、今回のアド・リミナの教皇謁見は従来の方式とは異なる方式で行われました。教皇を囲んで和やかに、自由な雰囲気で、共通の課題・問題についての意見の交換が行われました。わたしたちもかなり率直に要望を、直接教皇に伝えることができ、よい出会いの機会となり、みな満足のようでした。
 今日の第一朗読はエレミヤの31章、新しい契約の実現を預言している箇所です。この預言は主イエスの十架上の死とその時のおん血によって締結されました。わたしたちはミサをささげるたびに、キリストの血によって結ばれた新しい契約を記念しています。
 わたしたちは主イエス・キリストによる新しい契約の民であります。多くの殉教者と250年にわたり司祭なしに信仰を伝えた信徒を誇りとする教会の民です。現代のこの状況において、どのようにして、キリストの過越の神秘の福音を生き、伝えるという神の民の務めを果たすことができるでしょうか。何よりも祈り、聖書を分かち合い、また社会の中で、平和の使徒として働くことが大切です。そのために聖霊の導きを切に祈りましょう。



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