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2017.9.30 (土) 川越教会100周年記念ミサ
2017年9月30日 川越教会100周年 第一朗読:黙示録12・7-12a 福音朗読:ヨハネ1・47-51 今日、わたくしどもは、川越教会の創設100周年をお祝いし、特に、大天使・聖ミカエルにわたしたちの厚い願いをお捧げし、これからのわたしたちの歩みを守り、励まし、導いてくださるよう、祈りを捧げたいと思います。 川越教会は100年の歩みを歩んでこられました。これから100年どころか、何年か分からないけれど、長い、長い旅路が待っているのであります。わたしたち、さいたま教区、そして川越教会は、この世において、日本の社会において、様々な問題に直面しながら、色々な課題、それは同時に罪と悪の問題であり、罪と悪に打ち勝つことができますよう、大天使ミカエルの取り次ぎを願って、祈り続けて参りましょう。 さて、今日の朗読をご一緒に味わいながら、わたしたちの願いを、祈りを一つに合わせて、神様にお捧げしたいと思います。 ミカエルという大天使のミカエルという言葉の意味は、「誰が神の如き者か」という意味であり、「主なる神様だけがわたしたちの神である、わたしたちは神を礼拝し、神に従うものです」という意味であります。 神から造られた様々な被造物の中に、わたしたちと違って、純粋に霊的な存在があります。わたしたちは、肉体と精神を持った、地上を旅するものでありますが、この純粋の霊である天使と呼ばれる存在があります。その天使の中で、「自分こそ神のようなものだ」という思いを抱いた霊的な存在がいた、と聖書は告げているのであり、そう思っただけでその天使は悪魔、悪霊に落とされてしまったと言われています。わたしたちは、心の中で、色々な悪い思い、やましい思いを持ちますが、思っただけですぐに悪魔に変えられてしまうわけではなくて、神の前に赦しを願い、心を清めていただくようにお願いし、赦される存在でありますが、天使の場合、思っただけで、もう取り返すことができない、そういうものであると言われています。 今日の朗読を見ますと、ヨハネの黙示。ミカエルと竜との戦いのことが述べられている。ミカエルは悪そのものである竜、すなわち、悪魔と戦い、悪魔を天から追放することに成功した。地上に投げ落とされたというのです。地上というと我々の世界です。ですから、悪魔の働きが完全に収束した、終わってしまったわけではない。悪魔はこの世界で、この社会で、そして、わたしたちの心の中で働いている。誘惑するという仕事をせっせとしている。わたしたちは、この悪魔の働きに抵抗し、悪魔の誘惑に打ち勝たなければならないのであります。そして、その戦いのときに、大天使ミカエルの助けを祈り求めましょう。 ところで、この機会に天使ということについて、ちょっと思いを馳せたい。カトリック教会、あるいは正教会は天使という存在を大切にしています。天使というのは、神と人間との中間に存在する霊的な存在であり、神と人間を仲介するものであると考えられます。夢の中に現れて、神様のみ心を人間に伝えたりするということがある。わたしたち生身の人間は、直接神を見ることができない。神を見る者は死ぬと、聖書の中で言われております。それぞれの人には、さらに守護の天使がついていると教えられています。その天使の中で、カトリック教会では三大天使、聖ミカエル、聖ガブリエル、聖ラファエルという大天使を大切にしているわけであります。そしてミカエルは、繰り返しになりますが、神様だけに従い、神以外のものを退ける。悪と戦うわたしたちを助け、支える、そういう霊的な存在であります。 そこで今日も思い出すことは、主の祈りであります。“わたしたちを悪からお救いください。”この悪はあらゆる悪、この世に存在するあらゆる悪を指すとともに、解釈によっては、悪の力、悪霊、サタンを指すと言われております。司祭は聖体拝領に先立ち、皆さんと一緒に主の祈りを唱え、引き続き副文と言われる祈りを唱えておりますことを、皆さんは良くご存知であります。 副文、それはどういう言葉であったか。“いつくしみ深い父よ、すべての悪からわたしたちを救い、現代に平和をお与えください。あなたのあわれみに支えられ、罪から解放されて、すべての困難にうち勝つことができますように。” わたしたちはそれぞれ、個人としても、教会としても、教区としても、様々な困難に直面している。その困難に打ち勝つことができるよう、神の助けを祈り、そして、その祈りを、天使、そして聖人に取り次いでいただくのであります。 今日、川越教会創設100周年を迎え、多くの人がここにお集りになり、お祝いをしている。そういう機会に、わたしたちは、何を思い、これからどのように歩んでいったらよいであろうか。神様から与えられている数々の恵みを思い起こし、感謝いたしましょう。そして、様々な問題を見ながら、その問題を乗り越えていくことができるよう、さらなる神の恵みを祈り求めましょう。そして、わたしたちの希望、救い主イエス・キリストが来られる、その日を待ち望みながら、謙遜に、誠実に、しかし勇気を持って、色々な問題に立ち向かっていきたいと思うのであります。これからご一緒にお祈りしながら、最後の日を目指して、共に歩んでまいりたいと思います。 |
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