10月20日午後、所沢教会において、「埼玉県 信仰をわかちあう集い」が開かれ、70人ほどの参加者が集まりました。お世話をする数人の司祭らとともに、先日叙階式を終えたばかりの山野内倫昭司教も同席しました。
信徒の皆さんの信仰体験を聞こうという主旨で開かれたこの集い。お話しくださったのは、埼玉西ブロックから、井出均さん(上福岡教会)、クッティカット夫妻、草間夫妻(以上、所沢教会)の3組でした。
井出さんは潜伏キリシタンの流れをくむ代々の信者で、家庭で厳しく信仰を育てられました。青年期に少し気持ちが遠ざかることもありましたが、「やはり教会とつながっていないと生きられない」と気づいたということです。当時かかわっていた司祭からも、「一度神さまの網にとらえられた人は離れられない」と言われたそうです。
クッティカット夫妻のご主人はインド人。若いころにハンセン病の村を訪ねた体験から、深く教会で働くようになり、「人との関わりの中で神さまは、わたしが思っていた以上のよりよい道を見せてくれる」と感じたそうで、いまもその道を生きているとのこと。そうした中、奥さんとの出会いにも恵まれたそうです。
草間さんの奥さまはお子さんの病気の体験を話し、「信仰が弱かったから、神さまが助けてくれたんだと思う」と当時を振り返りました。幼児洗礼のご主人は、堅信、結婚、子どもの洗礼といった秘跡のたびごとに「神さまと約束することを」悩んでいたけれど、「年を経るほど、確信が強く感じられるようになりました」と話します。「いまも信仰の途中。神さま、この苦しみはなんですか、答えはあるんですかと問う時もありますが、答えに気づく時には気づく。どんぶらこ、どんぶらこと歩んでいます」。
最後に、まとめ役の藤田薫神父は、「司祭が話すより、信徒の人の話の方がよく伝わることがよく分かりましたね」と総括しました。集いの終わりには、山野内司教司式でミサがささげられました。説教で、教区に着任したばかりで、現在各司祭との面談を行っていることについて触れ、「各司祭と話していると、何をやっているか、何ができるかということの前に、まずどうして司祭を志したかという召命、信仰の話が出ます。信徒の皆さんも同じだと思います。まず自分の信仰の体験を振り返り、それをほかの人と分かち合っていくことがとても大切です」と、今回のような取り組みを励ましていました。