第一朗読 創世記(12:1 〜4)で読まれたように『父の家を離れて私の示す地に行きなさいと、主がアブラムに云われたように』ローランド神父さんも主の言葉に従って旅を続けました。 彼の故郷マシエル村は、ブドウ畑に囲まれた美しい地方です。 住む人々の優しさ、甘いワインの香り、フランス料理の美味しさ、8人兄弟で3人が司祭になりました。 『私が示す宣教の地に行きなさい』という声を聴いて、1951年に司祭に叙階されました。 パリ外国宣教会・神学校校長の評価は、『ローランド君は、勤勉で賢く、寛大で信頼でき、慎重でした』 船で日本に向かい、最初の二年間は静岡で日本語の勉強をしました。その後は、まだ司教区ではなかった「さいたま地区」に派遣され、それ以来ずっとさいたまの地で60年間専念しました。
いつでも出かけて、人と出会い、日本の料理や習慣に親しみ、分かち合い、真の宣教師でした。 信徒でない人の家にも出かけ、社会の様々な現場に足を運びました。 悩む人がいれば相談し、励まし助けました。カトリックだけでなく、あらゆる分野・思想・日本の文化を知り、社会問題にも興味を持って取り組みました。 不正を受けた人、抑圧された人々に共感をもって、ゆがんだ政治と経済に憤りを持ちました。 良き『歩く宣教師』の伝統をひきついで、神の愛を告げました。
今日読まれた福音(ヨハネ3:16〜17)は、彼が好きだった箇所です。 『神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである』 ローランド神父がよく言っていたのを覚えています。『裁こう、裁こうと思ったら、その10倍のエネルギーで相手を赦しなさい』と。 『愛とやさしさ』、この宣教の姿勢を受け継ぎ、福音の喜びを社会と人々に伝えていきましょう。」 |